ニュースレター第4号です。YUIみらいチームと名刺交換をしてくださった皆様にメルマガを不定期でお届けしています。
ゴールデンウィークに入ったにもかかわらず文字多めのメルマガで申し訳ありません💦
皆様と是非共有したい報告書発行のお知らせです。
 
能登半島地震の女性の経験と思い
~ヒアリング調査報告書を発行~
YUIみらいプロジェクトは他の3団体(※)とともに、令和6年能登半島地震を経験した女性のヒアリング調査を行い、この度報告書を発行しました。
 

>>報告書のダウンロードはこちらから(全49ページ)
 
 
>>ダイジェスト版のダウンロードはこちらから(全6ページ)
※調査チームは以下の通りです。 YUIみらいプロジェクトのジェンダー視点の地方創生助成の参加団体、ほくりくみらい基金は、当初他の地方創生助成先団体と同じく「みらいワークショップ」を今年1月後半に開催する予定で準備をすすめていたところ、巨大な地震が能登半島を襲いました。同団体はすぐに災害支援基金を立ち上げ、募金を呼びかけるとともに、能登半島で緊急・復興支援を行う団体に助成を行っています。また、そのつながりのなかで、能登の女性のネットワーク「フラはなの会」が立ち上りました。 
女性の声を可視化する
2024年1月1日を境に大きく風景が変わり、ひとりひとりの日常が突然断絶した能登。
 
何が一緒にできるのか、ほくりくみらい基金とYUIみらいプロジェクトは情報交換しつつ、復興に向けた議論がはじまるなか、そこに女性の経験や視点を反映させることが非常に重要と考え、同じ思いを持つ男女共同参画/ジェンダー視点の防災・復興の専門団体であるGDRRの共同代表で、静岡大学グローバル共創科学部・教授の池田恵子氏の参加を得て、上記調査チームを組成、3月から4月にかけて、オンラインおよび被災地で13人の女性にヒアリング調査を行い、報告書にまとめました。
 

様々な社会調査の手法の中から、本調査は、キー・インフォーマントへのインタビューを採用しました。本調査の参加者は少数ですが、多くが発災前から地域の産業、地域づくり、地域福祉、地域医療などの領域で活動し、震災前の人々の様子と課題の状況をよく把握していた人々です。そして、発災直後から地域の人々の命と健康を守る活動に従事されています。私たちは、地域の人々の一番近くで活動してきた、これら草の根の実践者の経験を知ることが、人々の状況を理解することにつながると判断しました。加えて、既存の統計データの分析も行いました。

写真: ヒアリングのため3月末に訪れた珠洲市の風景。
地震後3か月経つものの、風景が変わらない、と地元の方はおっしゃいます。
「避難所の困難」のさらに奥へ
近年大きな災害が起こると「女性、こども、高齢者にとっての避難所環境の問題」や「性暴力のリスク」について懸念される報道が増えてきました。命・健康・安全、そして尊厳を守るために、とても大事な視点ですが、なぜそのような状況が起こるのか、背後の構造的な問題をとらえることが、復興に向けた知見となります。
 
今回の調査では、
  • 避難所において、女性や多様な人々のニーズが把握されていなかったこと
  • 炊き出しなどの労働は、主に女性が、長時間にわたり、無償で担っていたこと
  •  震災の影響のみならず家族・親族のケアのために出勤できず失職した女性がみられたこと
が語られました。そしてその背後の問題として、
  • 住民組織の長に女性が圧倒的に少なく、平常時から女性が発言しにくい状況があったこと
  • 無償ケア労働(家庭内で無償で行われる、家事・育児・介護・看護などの「ケア」にまつわる労働)の女性への著しい偏りと、それを「当たり前」とする平常時からの固定的性別役割分業意識(=ジェンダーバイアス)があったこと
が浮き彫りとなりました。
 
なお、能登では多くの女性が仕事をしていますが、やはり男性と比べると非正規雇用が多いため、こうした女性の立場の脆弱性が仕事に与えた影響が想起されますが、統計的な調査を行っていないこの調査からは、結論を導くことはできず、また、公開されている労働統計の大半は男女別になっていないため、この疑問に対する回答をうかがい知ることはできません。災害の影響を男女別に理解する統計の整備が待たれます。 

「彩(いろどり)あふれる能登の復興」というタイトルに込められた思い

上記の通り調査により浮き彫りになった課題に基づき、報告書では10項目にわたる提言を示しています。
 
「Build Forward Better」(よりよい未来を構築する)とい言葉があります。
新型コロナ感染が世界を襲い、ジェンダーや社会的立場、経済状態等、それまでの社会の不平等がさらに先鋭化して浮かび上がったことで、コロナ前の社会にただ戻すのではなく、より良い未来に向けて構造的な問題に取り組んでいくことを目指すという意味する言葉です。
 
能登は世界に誇る自然や文化に恵まれながらも、若い世代、とりわけ女性の転出により、地震前から人口減少、少子高齢化に直面していました。今回の地震後の転出も人口減少に拍車をかけることが懸念されています。
 
Build Forward Better - 能登が復興を遂げていくためには、多様な人の参画が必要です。
「彩あふれる能登の復興へ」というタイトルは、能登女性のネットワークであるフラはなのメンバーが、多様な女性たちが復興に参画し、美しい能登を創っていく思いをこめてつけられました。
 
女性たちの声が広く届くよう、私たちはこれからも、フラはなの会や、ほくりくみらい基金の皆様をサポートして参る所存です。
 
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