前回のニュースレターでは、能登の女性のヒアリング調査(能登半島地震の女性の経験と思いに関するヒアリング調査)についてご報告しましたが、今回はその後、2024年5月12日に金沢で開催された「みらいワークショップ」について共有します。
このワークショップは石川県の助成先団体である、公益財団法人 ほくりくみらい基金が主催し、YUIみらいプロジェクトがサポートをし、地震の被害の大きかった能登地方かららのご参加者に加え、能登にルーツや関係の深い金沢市在住の方など約20人の女性が参加しました。
これまで他の地域で開催したみらいワークショップは1日目が10~20代の若者(ユース)が行い、その結果を受けて2日目におとなが行うスタイルでしたが、今回は単独で女性のワークショップを行いました。なかなかメディアなどでは報じられない視点で、参加者の間から大事な意見がたくさん出されました。
オープニング: YUIみらいの助成先のひとつ、気仙沼つばき会から3人がかけつけてくださり、気仙沼の経験を共有。「皆さんには大丈夫と伝えたい」という気仙沼の女性経営者、斎藤さんの温かい言葉に会場が包まれました。
不安、最悪のシナリオからはじまり最高のシナリオ、アクションプランへ。3時間半という長丁場のワークショップでしたが、どのテーブルも様々な分かち合いや議論が繰り広げられました。
不安と最悪のシナリオ。意思決定に女性が入れないことや、若者がいなくなること、復興の道筋が見えないことなどが語られました。参加者の方の中にはまだ仮設住宅の割り当てが来ずに、未だ家族で避難所で暮らしていらっしゃる方もいて、学校生活が通常に戻る中、このまま避難所にいてよいのかといった切実なお話も共有されました。
最高のシナリオでは、言いたいことが話せる、女性によるスモールビジネスが花開く、市町議員男女同数、多様な人が活躍し、多様な生き方ができるなど、彩りあふれる未来が描かれました。
能登復興のアクションアイデアのセッションでは、短い時間ながら能登の文化や自然を活かすこと、男女関係なくいつでもだれでも意見が言える円卓会議を開催すること、ボランティアツーリズム、チャレンジを応援する制度など、豊かなアイデアが共有されました。
能登の女性の聞き取り調査では、女性が意見を表明することや意思決定に加わることの難しさがあぶり出されましたが、この現状と鮮やかな対比をなすように、参加者から出たアイデアでは、立場や性別を超えて話せること、新しいことにチャレンジすること等が話されたことがとても印象的でした。
石川県のみらいワークショップ第二弾として、企業など、マルチステークホルダーによるみらいワークショップが近日開催予定です。