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YUIみらいプロジェクトでご縁のあった方々に、不定期にニュースレターをお届けしています。

 

今回も、団体の現在の取り組みを伝えていきたいと思います。今回お伝えするのは、「ジェンダー視点のある地方創生助成」に参加している、「男女共同参画をすすめる会・IYOU淡海」(滋賀県)と、「気仙沼つばき会」(宮城県気仙沼市)です。

「当たり前」をゆさぶる、対話のスイッチを入れる体験
滋賀発・IYOU淡海の挑戦

滋賀県を拠点に活動する、特定非営利活動法人 男女共同参画を進める会 IYOU淡海(おうみ)。淡海は琵琶湖のいにしえの呼び名で、メンバーは滋賀愛にあふれる男女共同参画のエキスパートです。IYOU淡海が2024年に始動したプロジェクト「しがミモザプロジェクト」に対して、YUIみらいプロジェクトは助成と伴走支援を行っています。


 「しがミモザプロジェクト」では、ジェンダーの視点で“誰もが暮らしやすく、働きやすい滋賀”の実現を目指し、多世代・異業種・行政・企業・若者がつながる共創型のネットワークづくりに取り組んでいます。


この取り組みの一環として、しがミモザプロジェクトに参加する企業やユースが実現を目指すのが、「役割スイッチ」。


 家庭や地域、職場に根強く残る固定的性別役割を超えていくことが、ジェンダーギャップ解消には通らなければならない道と考えています。
 家庭や職場に根づく性別役割を“体験”と“対話”で見直すことを目的に、家族・企業・地域それぞれの現場で小さな変化を生み出すことをめざしています。


2025年6月19日には、地元金融機関、企業関係者、教育関係者などが集まり、家庭編・職場編の「役割スイッチツール」の試行ワークショップが実施されました。

職場編:ジェンダー・ポーカーで見える「空気」

職場編では、「男性は決断力がある」「女性は気配りが得意」などのジェンダー・ステレオタイプをカードに書き出して、自分にとって「圧が強い」と感じるものを次々に発表する「ジェンダー・ポーカー」を実施。


「ジェンダー・ポーカー」は、国際NGOのオックスファムが開発した学習ツールをYUIみらいプロジェクトがアレンジして、気仙沼つばき会で実施したものを、今回は滋賀で展開しました。

 

「うちの職場にもあるかも」「言われてみると気になる」といった反応が自然と生まれ、参加者同士の笑いと気づきが交差する時間となりました。


職場では、制度以上に「空気」による抑圧が強く働く場面も多く、そうした見えにくい構造を“遊び”の要素を交えて可視化するアプローチは多くの共感を呼びました。

 

家庭編:カードで気づきを引き出す

家庭編では、「もやっとカード」というツールを使って対話のワークを行いました。
家庭や地域の「あるある」をイラストにして、グループで話し合うというもので、IYOU淡海とYUIみらいプロジェクトでプロトタイプ版を作りました。

 

「夫が正社員だから私がパートになった」「うちは嫁が強いからな、と話す飲み会の風景」などに対して、

  • それって本当に“自分で選んだ”こと?

  • 無意識のうちに刷り込まれていた“前提”は?

といった問いを交え、参加者同士で対話を深めていきます。

印象的だったのは、「できた・できない」を問うのではなく、「気づいたかどうか」に重きを置いた点。


完璧な分担を求めるのではなく、普段話しにくいことをカードの力で“話せる”雰囲気をつくり、家庭内の無意識の役割に光を当てることがねらいです。

 

このワークを導入として、休日にパートナー間で役割をスイッチし、家庭内で家事・育児(=無償ケア労働)の分量を体験したうえで、減らしたり、役割を変えたりというアクションにいざなうことを目指します。


ワーク後には「パートナーと家事をスイッチしてみたい」「うちでもやってみたい」といった感想が寄せられました。

 

今後はミモザプロジェクトに参加する方々と検討しながら、実践者を増やしていく方針です。

家庭編カードの例

ミモザびとがつなぐ滋賀の未来

IYOU淡海では、こうしたワークを軸に、ジェンダー平等に関心をもつ個人や団体、企業を「しがミモザびと」として登録。
世代や分野を越えて滋賀の魅力や課題を発信し、地域での対話を広げるネットワークづくりを進めています。

 

この取り組みは、単発のイベントではなく、政策提言や制度設計につながる仕組みづくりとして構想されています。

 

「役割スイッチデー」はその象徴的なアクション。
小さな気づきから、家庭や職場の“当たり前”が少しずつ変わっていく、そのはじまりとして期待が寄せられています。

 

ジェンダー視点で「暮らし」と「はたらく」を見直す。

そんな問いが、滋賀から全国へと広がっていくことを願って。

今後のIYOU淡海の展開に、ぜひご注目ください。

気仙沼でひらく、新しい“決め方”——ジェンダーの視点で地方政治を考える

「気仙沼を愛し、誇り、自身がいきいきと楽しく働く人が集うプラットフォームになること」。そんな思いを掲げ、気仙沼で活動を続ける一般社団法人気仙沼つばき会。ジェンダー平等にも力を入れ、「それぞれのまなざしを育てあい、誰もが最大限に輝くまち、気仙沼へ」と活動を広げています。


そんなつばき会が、女性の政治参画の機運を高めることを目的に企画した連続イベント「地域の未来を変えるレシピ ~ジェンダーの視点でひらく、新しい“決め方”」がこの7月にスタートしました。第1回のテーマは「まちを良くする手段のひとつとしての地方政治」。地域の暮らしと政治の接点を見つめ直す時間となりました。


前半は、参加者同士の“盛りすぎ自己紹介”タイム。「漁師愛が神レベル」「土の味をなめて判断する」など、ユニークな自己紹介と気仙沼の未来への思いの共有が続き、会場には笑いと親しみがあふれる雰囲気が広がりました。

写真: 地域で様々な活動をする女性たちが集まりました。

後半のゲストトークには、武蔵野市議会議員のさこうもみさんが登壇。もともとはクラウドファンディングを行う民間企業に勤めていたさこうさん。社会課題のために挑戦する市民団体との出会いを通じて、「これって本来、政治でやるべきことがたくさんあるんじゃない?」と気づき、“地方議員になるには”とGoogle検索したことから、議員への道が始まったといいます。


実際に出馬を決め、当選し、議員として活動を続ける中で得たリアルな経験を共有。「他の議員や市役所職員とチームを組むことで、スピード感を持ってより良い政策を実現できる」と語り、参加者たちはその言葉に引き込まれました。


議会でも「一緒にやる仲間がいるとできることが広がる」「自分が詳しくない分野でも、得意な人と手を組めば最強」と、チームで進める政治の面白さと可能性について語ってくれました。市議会議員の仕事は女性には辛そう、いろいろな縛りがありそう、とキャリアとしての魅力をあまり感じられない市議会議員のイメージが大きく変わる時間でした。


制度にすれば、私がいなくても残る


特に印象的だったのは、「制度にすれば、私がいなくても仕組みは残る」という言葉。実際にさこうさんは、避難所の多言語対応を市に導入。「たとえ自分が病気になっても、次の選挙で落ちたとしても、その制度は地域に残り続ける」と語りました。


「個人の思いや活動も大事。でも、ルールにすれば社会全体に届く。私個人に依存しなくていい、それが政治のやりがいであり、責任でもある」。その真摯な姿勢に、参加者の多くが深く頷いていました。

ゲストの武蔵野市議 さこうもみさん

次回は8月24日(土)、テーマは「ジェンダーで地方自治を見てみると面白い」。政治の仕組みを知りながら、自分たちの暮らしをどう変えていけるのか、対話はさらに深まっていきます。私たちYUIみらいプロジェクトも、引き続きコンテンツ制作や企画運営に協力していきます。これからの活動に、どうぞご期待ください。

 

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