職場編:ジェンダー・ポーカーで見える「空気」
職場編では、「男性は決断力がある」「女性は気配りが得意」などのジェンダー・ステレオタイプをカードに書き出して、自分にとって「圧が強い」と感じるものを次々に発表する「ジェンダー・ポーカー」を実施。
「ジェンダー・ポーカー」は、国際NGOのオックスファムが開発した学習ツールをYUIみらいプロジェクトがアレンジして、気仙沼つばき会で実施したものを、今回は滋賀で展開しました。
「うちの職場にもあるかも」「言われてみると気になる」といった反応が自然と生まれ、参加者同士の笑いと気づきが交差する時間となりました。
職場では、制度以上に「空気」による抑圧が強く働く場面も多く、そうした見えにくい構造を“遊び”の要素を交えて可視化するアプローチは多くの共感を呼びました。
家庭編:カードで気づきを引き出す
家庭編では、「もやっとカード」というツールを使って対話のワークを行いました。
家庭や地域の「あるある」をイラストにして、グループで話し合うというもので、IYOU淡海とYUIみらいプロジェクトでプロトタイプ版を作りました。
「夫が正社員だから私がパートになった」「うちは嫁が強いからな、と話す飲み会の風景」などに対して、
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それって本当に“自分で選んだ”こと?
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無意識のうちに刷り込まれていた“前提”は?
といった問いを交え、参加者同士で対話を深めていきます。
印象的だったのは、「できた・できない」を問うのではなく、「気づいたかどうか」に重きを置いた点。
完璧な分担を求めるのではなく、普段話しにくいことをカードの力で“話せる”雰囲気をつくり、家庭内の無意識の役割に光を当てることがねらいです。
このワークを導入として、休日にパートナー間で役割をスイッチし、家庭内で家事・育児(=無償ケア労働)の分量を体験したうえで、減らしたり、役割を変えたりというアクションにいざなうことを目指します。
ワーク後には「パートナーと家事をスイッチしてみたい」「うちでもやってみたい」といった感想が寄せられました。
今後はミモザプロジェクトに参加する方々と検討しながら、実践者を増やしていく方針です。